水先案内人の仕事
出港の1時間ほど前から、ブリッジは慌しさをまします。
すでに海図には航路が引かれています。
陸上との無線連絡の回数は、時間を追うごとに増えていきます。
双眼鏡とトランシーバーを手にした制服を着ていない年配の人が、船長と頻繁に打ち合わせを繰り返します。
パイロット(水先案内人)とよばれるベテランで、その港での船の出入港を取り扱っています。
パイロットは船長経験者であり、その港のことなら、ナメるように知りつくしています。
この時間なら、どのあたりで潮流が変わり、どこに浅瀬ができるか・・・などといった刻々と変化する港の状況がすべて彼の頭脳にはインプットされているのです。
前部マストに「出港」の旗がひるがえりました。
一等航海士と二等航海士の姿は、このときブリッジにはありません。
一等航海士は船首に、海士は船尾についています。
彼らはトランシーバーでブリッジに、船の前後の状況を伝え、岸壁に結んだロープ(もやい綱)を巻き上げたりする作業を指示します。
操舵手は、操舵輪に軽く手をふれて立っています。
